フォーブスが発表する第29回目の長者番付には1,826人のビリオネアが登場した。原油価格の急落とユーロ安といった国際的経済不安をものともせず、世界の富豪層は、また今年も拡大した。

 初めてランクインしたのは290人で、そのうち71人が中国籍だ。また、若手が増加傾向にあり、1,826人中46人が40歳未満だ。

 ドル換算で今年いちばん低落したのは、昨年度の250億から147億ドルに落ちたナイジェリアのアリコ・ダンゴテで、ナイジェリア通貨の急落と、彼の最大の資産であるセメントの需要の縮小が下降を後押しした。しかしながら、彼がアフリカ一裕福な男の地位を保っていることに変わりはない。群を抜いて弱くなっている国はロシアで、昨年度のランキング入りは111人だったのが、今年は88人と、アメリカと中国だけでなく、ドイツとインドよりも下回る結果となった。

 起業家精神が世界中で高まっていることは、疑う余地がないだろう。というのも、番付の中で、自力で成功しているのは1,191人に上り、財産を相続しているのはたったの230人しかいない。残りの405人は、一部相続してはいるものの、自身の力で資産を増やしている人々だ。

1. ビル・ゲイツ/アメリカ
2. カルロス・スリム/メキシコ
3. ウォーレン・バフェット/アメリカ
4. アマンシオ・オルテガ/スペイン
5. ラリー・エリソン/アメリカ
6. チャールズ・コーク/アメリカ
6. デイビッド・コーク/アメリカ
8. クリスティ・ウォルトン/アメリカ
9. ジム・ウォルトン/アメリカ
10. リリアンヌ・ベタンクール/フランス
11. アリス・ウォルトン/アメリカ
12. ロブソン・ウォルトン/アメリカ
13. ベルナール・アルノー/フランス
14. マイケル・ブルームバーグ/アメリカ
15. ジェフ・ベゾス/アメリカ
16. マーク・ザッカーバーグ/アメリカ
17. 李嘉誠/香港
18. シェルドン・アデルソン/アメリカ
19. ラリー・ペイジ/アメリカ
20. サーゲイ・ブリン/アメリカ
21. ゲオルク・シェフラー/ドイツ
22. フォレスト・マーズ・ジュニア/アメリカ
22. ジャクリーヌ・マーズ/アメリカ
22. ジョン・マーズ/アメリカ
25. デイビッド・トムソン/カナダ

26. ホルヘ・パウロ・レマン/ブラジル
27. 李兆基/香港
28. ステファン・ペルソン/スウェーデン
29. ジョージ・ソロス/アメリカ
29. ワン・ジェンリン(王健林)/中国
31. カール・アイカーン/アメリカ
32. マリア・フランカ・フィッソロ/イタリア
33. ジャック・マー(馬雲)/中国
34. アル=ワリード・ビン・タラール/サウジアラビア
35. スティーブ・バルマー /アメリカ
35. フィル・ナイト/アメリカ
37. ベアーテ・ハイスター&カール・アルブレヒト・ジュニア/ドイツ
38. リ・ヘジュン(李河君)/中国
39. ムケシュ・アンバニ/インド
40. レオナルド・デルヴェッキオ/イタリア
41. レン・ブラヴァトニク/アメリカ
41. 柳井正/日本
43. チャールズ・アーゲン/アメリカ
44. ディリップ・シャンヴィ/インド
45. ローレン・パウエル・ジョブズ/アメリカ
46. ディーター・シュワルツ/ドイツ
46. マイケル・デル/アメリカ
48. アジム・プレムジ/インド
49. テオ・アルブレヒト・ジュニア/ドイツ
50. ミハエル・オットー/ドイツ

75. 孫正義/日本

151. 三木谷浩史/日本

 フォーブスの長者番付の発表は、今回で29回目となる。長年の歴史を持っているが、これは決して簡単な仕事ではない。記者たちは事実を深く掘り下げ、遠くまで取材に出かけることもある。純資産の評価にあたっては個人の資産に加え、公的投資や民間企業への投資、不動産、ヨット、美術品、さらに現金。また、負債も考慮に入れる。

 権力を利用して資産を得ている王族もしくは独裁者らは含めていない。フォーブスは、長年にわたってこれらの裕福な暴君や独裁者、王族の資産を評価してきたが、彼らの番付は別に作成している。それらの資産は個人や企業的活動の結果とは認められない。その資産は結局、彼らの身内に相続される、もしくは完全に放棄されるべきものだからだ。